水口施設長コラム No.13新型コロナウィルス感染症(2)


新型コロナウィルス感染症 (2)

 不要不急の外出自粛要請に対する市民の全面的な協力が実を結び、新型コロナウィルス感染症は減少傾向にあり、緊急事態宣言は5月26日に1ヶ月半ぶりに解除された。客観的な指標に基づいて、宣言の解除および再宣言を発出するモデルは分かりやすく、安心感がある。

 歯科を受診したところ、うがいをしてしばらく待機し、場所を移して治療が始まった。スタッフはマスクとフェイスシールドをつけ、感染防止策を徹底していた。次の日に訪れた理髪店でも、利用者同士のスペースを確保し、スタッフは防御服を身につけ、手際よくやってくれた。衣服の消毒などに手間がかかるため、新規利用者の予約は困難とのことであった。市中におけるこのような徹底的な対策が感染防止をもたらしているのだろう。
 一方、減収は避けられないとのことであり、自粛要請は経済に大打撃を与えた。主要国のGDPは軒並みダウンし、世界経済の減速は避けられない状況にある。政府は公的な支援策を打ち出しているが、未だ道半ばであり、スピード感のある支援策が望まれる。市民は感染防止と日常・経済活動を両立させるという厳しい選択を迫られている。
 感染防止と経済活動のバランスを図りながら、新規治療薬やワクチン開発までの時間を稼ぐことが大事である。自粛を緩めると、第2次・第3次の感染が起こり、60%程度の人が免疫を獲得するまで続くと推測されている。新型コロナウィルスに対する治療薬レムデシビルが承認され、その他複数の治療薬やワクチンも治験段階にあり、早期の実用化を祈念したい。
 新型コロナが重症・重篤化するとサイトカインIL−6が上昇する。このサイトカインストーム(免疫暴走)を抑制する抗IL6受容体抗体(アクテムラ)が重症化を抑制することが報告されている。軽症患者では死亡のリスクは極めて低いが、重篤になるとリスクは増大することが示されており、重篤者に対する治療体制の確立は喫緊の課題である。
 検査体制の不備などが指摘されていたが、我が国の感染者数・死者数が欧米に比べて極めて低く、各国から賞賛されている。その原因として市民の協力と共に、BCGワクチン接種、HLAの違いなどが挙げられているが、未知の因子の可能性もあり、今後の解析が待たれる。科学的なエビデンスに基づいた冷静な判断、行動が求められている。
 新型コロナウィルスが呼吸器系の細胞膜上に存在するACE受容体に結合し、体内で増殖すると感染・発病する。学童は大人に比べて発症・重症化しにくいと言われているが、その原因として学童ではACE受容体の発現が低いことが上げられている。保育所の閉鎖や休校などについて、再検討することが必要であるかもしれない。
 感染しているか否かを調べる手段として抗原検査がある。サンプルを採取し、30分程度で結果が得られる。陽性であれば、感染者として隔離し、治療を開始する。陰性の場合は抗原量が少ない可能性もあるため、ウィルスを増幅して検査する方法(PCR検査)を追加する。PCR検査が陽性であると感染、陰性であると感染していないということになる。PCR検査の精度の問題もあり、検査と症状を総合的に判断し、適切な治療を選択することになる。
 感染しても無症状の人も存在するため、集団の中でどのくらいの人が感染した既往があるかを調べるために抗体検査を実施する。ランダムに検査し、60%程度の人が陽性であると、集団で免疫を獲得したと判断できる。
 施設では営業を継続しているが、スタッフ及び家族のご協力により感染者は出ていない。仕事の性格上、施設では接触をさけることは困難であるが、面会制限、通所利用者との動線を分けることによって外界との接触を最低限にするように努めている。通所利用者と入居者に対するリハビリテーション担当のスタッフを分けているため、感染防止のためリハビリテーションの回数が制限されることもある。6月より通所利用者の皆さんの枠を拡大することにしたが、スペースの関係もあり、新規利用車の皆様の要望にはお応えできないことも危惧される。もちろん、スタッフは手洗い・うがい・マスク着用を励行し、感染防止に努めている。
 ポストコロナを見据え、ICTを活用した介護の在り方を検討している。オンライン面会、インテークの在り方、介護ロボットなどを活用し、介護業務の効率化を図り、労働生産性を高める方法を模索している。
 パンデミックの中にあっても、介護業務は休むことはできない。感染を恐れる余り、過度にリハビリテーションを削減すると、利用者さんのADLが低下する。情報を的確に把握し、「感染防止」と「介護ケア」を両立させる方策を検討する中で、安全・安心なケアサービスを模索していきたい。
アクセス


〒244-0003
神奈川県横浜市戸塚区戸塚町
1800-3

お問い合わせ 詳しくはこちら